A project class, 2024/1. 木々による水循環と環境への影響 Water Cycle & Environmental Impact of Trees

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Eight students (SR, TM, AA, KS, KY, TY, OY, SK ) worked on “The Impact of Water Circulation by Tress on the Environment“. This is a project-type class for B1 (mainly) students. The following are Abstract and Final presentation slides that prepared by students.

木々による水循環と環境への影響 The Impact of Water Circulation by Tress on the Environment

  • 調査の動機(なぜそれを調べたのか、の問題意識)  
  • 「木材」:木材強度と水の関係について調査した。
  • 「温度」:木の冷却機能について、「葉の本数と木の種類によって温度変化が異なる」という予測の検証を行うため、実際に東京農工大学の敷地内に生えている木を対象に実験を行うことにした。  
  • 「水」:森林の水源涵養機能と間伐の関係性、人々の生活にどう役立っているかについて調査をおこなった。
  • 調査結果の概要
  • 「木材」:伐採前の木には、辺材(水を運ぶ部分)と心材(防腐・防虫効果のある死滅した細胞)がある。また、木材には細胞と結合する結合水と、空隙内にある自由水があり、木材を乾燥させると自由水→結合水の順に失われていく。特に結合水が木材強度を左右する。  
  • 「温度」:クヌギ(落葉樹)、クスノキ(常緑樹)、サンゴジュ(常緑樹)の3種類の苗木と、木の生えていない土を用いて実験を行なった。人工太陽照明装置を用いて、それぞれの木と土に同じ強度の光を45分間照射した。この間、15分ごとに土の表面温度、葉の表面温度、室温を計測した。実験の結果、木がない場合は木がある場合に比べて土の表面温度の上昇が大きいことが明らかとなった。また、葉の緑色が濃いほど葉の表面温度の上昇も大きいことが観察された。さらに、文献データベースWeb of Scienceでの調査を通じて、以下の点が明らかとなった。
  • ・葉の本数と冷却機能の関係:葉面積指数と樹冠被覆率に依存する遮光効果が、昼間の気温低下に最も寄与している(1)。
  • ・常緑樹と落葉樹の冷却機能の比較:常緑広葉樹の森林および常緑樹と落葉広葉樹の混合森林は、落葉性広葉樹の森林よりも冷却機能が高いことが示されている(2)。
  • ・葉の表面温度の反射率:葉の色の濃さが反射率に影響し、条件によって反射率が高くなるか低くなるかが変わる(3)。
  • 「水」:森林の水源涵養機能には、保湿力の高い土壌が不可欠であり(6)、この保湿力の高い土壌は水質浄化を促進し、ミネラルを豊富に含んだおいしい水を作る。また、森林の間伐は水源涵養機能の向上に繋がる(7)。
  1. 今後解決すべき課題や問題点、及びそれらの解決手段の提言

現代社会をより快適なものにするため、地域ごとに木の冷却機能と水資源の確保との間でバランスの取れた森林モデルの策定が求められる。このモデルを実現するためには、適切な森林管理方法と木材の利活用方法を確立することが課題となる。

 参考文献

(1)A single tree model to consistently simulate cooling, shading, and pollution uptake of urban trees, R. Pace, et al., Intl. J. Biometeor. (2021) doi.org/10.1007/s00484-020-02030-8

(2)Vertical thermal environment of subtropical broad-leaved urban forests and the influence of canopy structure, Y. Dong et al., Building Environ. (2022) doi.org/10.1016/j.buildenv.2022.109521

(3)Relationship between photochemical efficiency of photosystem II and the photochemical reflectance index of mango tree: merging data from different illuminations, seasons and leaf colors: J.H.Weng, et al. Tree Physiol. (2010) doi.org/10.1093/treephys/tpq007

(4)「現代土木材料」町田篤彦、オーム社、1990年

(5)Plant-water relations and the fiber saturation point, S. L.Berry & M. L.Roderick, New Phytologist (2005) doi.org/10.1111/j.1469-8137.2005.01528.x

(6)「水源林のはたらき」東京都水道局  https://www.mizufuru.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/overview/function

(7)「水を育む森林のはなし」 林野庁 https://www.rinya.maff.go.jp/j/suigen/suigen/con_1.html

Final presentation (Feb. 2024)

Slides their used