小金井キャンパス 木曜日3コマ目 工学部専門科目
対象年次: 2~4回生 、担当:Lenggoro 教室:L1111
概要・目標
エネルギー,環境,バイオなど多くの分野で、金属やセラミックスなど無機系固体材料の高性能化、低コスト化は欠かせない。また、開発された新材料の性能を生かすには、材料の構造や諸特性を評価しシステムに組み込むため設計が必要となる。そこで、金属・無機系固体材料の分子レベルでの構造解析法から巨視的な材料特性評価法まで幅広く解説するとともに、材料の高信頼性化と低コスト化に必要な材料製造プロセスの制御法について講義する。
内容
1.序論: 講義の目的とスケジュール、材料科学を学ぶ意義
2.固体の構造(アモルファスと結晶、電子構造と化学的性質)
3.固体中の原子配列と結晶学的記述の基礎
4.結晶構造解析の基礎
5.不完全固体の構造(点欠陥と線欠陥)
6.材料の熱力学および平衡
7.状態図による固体材料の相平衡表現
8.(中間試験)
履修のポイント:固体の微視的な構造と熱力学について理解を深めることをポイントとする。無機化学や物理化学の基礎的な知識の上に講義を行うので十分に復習しておくこと。
9.固体の力学的挙動の基礎、弾性論と塑性論、脆性破壊と延性破壊
10.材料力学の基礎、応力と歪、応力集中、材料の原子結合と巨視的特性の関係
11.材料の熱機械的特性、熱膨張、クリープ
12.線形破壊力学の基礎概念、亀裂、臨界応力拡大係数
13.材料の信頼性の評価解析法、強度分布の統計的評価法
14.材料の時間依存型挙動、疲労破壊
15.(期末試験)
履修のポイント:材料力学の基礎としてセラミックスのような脆く硬い材料から金属材料のように柔軟な材料まで評価できる連続体の強度学的な評価法と装置・プラント開発、設計、運転における材料科学的視点の重要性をその実用例の紹介を行いながら講義する。
参考書
C.R.バレット・W.D.ニックス・A.S.テテルマン 共著,井形直弘・堂山昌男・岡村弘之 共訳 材料科学1 ―材料の微視的構造―,培風館,(2004年)~2700円
C.R.バレット・W.D.ニックス・A.S.テテルマン 共著,岡村弘之・井形直弘・堂山昌男 共訳 材料科学2 ―材料の強度特性―,培風館,(2004年) ~2500円
成績評価の方法
達成度評価の対象は主に中間試験と定期試験であるが、2回の試験以外の講義における達成度も評価する
必要があるので、講義で実施した演習、レポートの回答内容も評価対象とする